井上千鶴のことば

 

梅雨

 

梅雨に入り2週間ほどが経ちました。

初めのころはザーッと雨が来たり、また日を置いて少しシトシトと降ったりしたのですが

このところ1週間ほどは曇ることはあってもほとんど雨らしい雨にならずに来ています。

水遣りが気になるこのごろですが、そんな晴れ間に神戸へウィンドウショッピングに行ってきました。

 

結婚して5年余りの間、御影に住んでいたこともあり身近な存在の街です。

神戸の震災後、かなり町の様子は変りましたが、以来19年も経って

少し入れ替わりはあったのでしょうが経営者やお店を運営される人が変らない限り

なんとなく昔の雰囲気に戻っているところも随所に見られ、ほっとするような街になってきました。

 

そして男性のおしゃれな方の多さに少し驚きました。

もちろん女性は以前からおしゃれな方の多いところですが

負けず劣らずというより、おしゃれを楽しんでいる男性のなんと多いことかというように見えました。

足元の靴、靴下に合わせてショートパンツや、短めのパンツにななめ掛けのショルダーを背に

帽子やブレスレットをそれとなく身につけ、派手ではないがスッキリとした男性の多さに

奈良では見られないことだと感じました。

一人の人もカップルであればそのお相手の女性よりもセンス良いなぁと思ったり

いつもの私の癖ですが、人間観察楽しいひとときでした。

 

それにしてもファッションのテンポの速いこと

少しでも“今様”を取り入れたファッションについていくには

雑誌を見る、都会へ行く、このどちらかをしていかないと取り残されてしまいます。

私は都会、特に東京、神戸に行くことが多いのですが

その空気感を感じながら今様を身につけています。

これからの時代、私達の会社の商品企画ももっと男性を意識した物づくりをしないといけないと思った次第です。

 

 

 

 

 

 

井上千鶴のことば

 

昔の友人と旧交を暖めて

 

考えてみれば、小学校1年生のときから半世紀以上の間

交流の濃淡はあっても、長年お付き合いしている友人が居ます。

社会人になっても、お互い結婚もし、子育ても経て

尚お付き合いできる幸せは、それぞれが異なった環境に置かれていても

いつまでも友人でいたいという思いが半世紀の積み重ねになったことは感慨深いものがあります。

 

そんな友人達と久し振りに会って、一気に学校時代を思いを起こしました。

ただ、待ち合わせをしている間、人の行き交うのを目で追うその先

イメージしている友人の顔はほとんど40歳までの顔でした。

そのことに気付いたのは皆が出会って「こんにちは」の挨拶を交わしたときでした。

多分、私だけではなく皆、心の中でお互い年を重ねた姿に今更ながらに愕然としたことでしょう。

現実の残酷さに目をそむけても致し方ありません。

それを受け止めた上で日々の思いを永々と4時間余りの間おしゃべりし続け

次回を楽しみに、又会うことを約束して夕方別れました。

 

元気で過ごすことの大切さとほのぼのとしたこの気持ちを大切に、良い一日でした。

 

 

 

井上千鶴のことば

 

思いついて小旅行

 

以前から一度行ってみたいと思っていた金沢21世紀美術館へ

土曜日の夕方からサンダーバードに乗って行ってきました。

20年ほど金沢には行くことがなかったので地理的にも記憶が定かではない中

香林坊に泊まり、朝から21世紀美術館へ向かいました。

 

この暑さにもかかわらず、家族連れや友達同士、母娘連れなど

年齢も子供から老人まで、多種多様な人たちが連れ立って、又、一人で

ゆっくりと歩いて楽しんでいます。

日本の美術館のイメージとは少し異なった雰囲気です。

皆、ニコニコと楽しそうに小声でしゃべり合って歩いています。

しかめっ面をしたり、むずかしそうな顔をしている人はほとんどいません。

 

ガラス張りの美術館の外を見れば、緑がいっぱいの森の木々に囲まれています。

芝生の上に寝そべったり、小さな子供がヨチヨチと歩き回ったり

まるでヨーロッパの近代美術館へ来たような感じでした。

美しさだけが美術の価値ではないのでしょう。

楽しさ、意外性、発想の豊かさが未来の美術的価値を

作るのではないかと思わせるひとときでした。

とは言うものの、その後近くの石川県立美術館で

乾山の雌雄一対の雉の香炉や古久谷の豪快な美しい大皿などを見て

やはりすごいなーという思いも同時に楽しめた充実した一日となりました。

 

京都、大阪、東京から遠く離れた大都会、金沢で

このような素晴らしい企画が現在されているということは

加賀100万石の伝統に息づく治政者の、あるいは住民の人々の

文化に対する奥行きの広さをつくづく感じさせられました。

 

帰りには武家屋敷の家並みの保存地区を見

淡海市場を覗いて海産物の豊かさに驚きながら帰路に着きました。

その土地土地の人の感性、考え方、見方に触れる時

旅のおもしろさを一番感じるときだと思いました。

 

蛇足ですが、若い頃見た古久谷はその肌合いや釉薬の色ばかりが記憶に残っていたのですが

今回見た20点ほどの古久谷の大作には、文様の有り方といい、高台が少し高く

鉢の縁の具合などが古伊万里や鍋島に通じるところが多く

やはり、九州で作られたのかという思いを持たされました。

 

現在と異なり、遠い遠い九州と金沢が美しいものを求め

江戸に対向するその気概で距離をいとうことなく交流していたとは驚くべきことです。

そのような人の思いが今に必ず通じているのでしょう。

私たち、奈良に住む人ももう少し(私も含め)金沢人を見習いたいと思いました。

 

 

 

 

井上千鶴のことば

 

 

 

 

5月も後半に入り、日ごと緑の濃くなるのを感じるようになりました。

雨上がりの苔は小さいながらも生き生きと背を伸ばしているように思えます。

まだまだ新芽がやわらかく、どの葉を見ても美味しそうに見えるのは私達人間ばかりではありません。

昆虫もそれこそ命がかかっているのですから、尚の事。

新芽の出そろった好物の葉に卵を産みつけ、孵化した毛虫が毎日せっせと葉を食べ続け

3、4日前には揃っていた新芽がほとんど坊主になるほどに食べつくされているような状態です。

特に目につかない西側の万作の木は毎年今頃こんなことが起こります。

今年も昨日トイレに入られたお客様が「すごい毛虫ですよ」と驚かれ

早速、薬剤を散布することになりました。

 

美しい緑を家に囲まれた中でいつも良い状態で保つということは

多分どちらのお家でも、寺院でも、料理屋さんでも目に見えないところで気をつけられているのでしょう。

町中で人と同じ環境に居る昆虫や小動物はそんな人の目を掻いくぐって苦労して生き延びているのでしょう。

とは言っても、毛虫はいまだに苦手です。

 

 

 

 

井上千鶴のことば

 

 

暦の上では立夏を向かえました。

日中は気温も25度を越え、車の中など真夏のようですが

朝夕はまだまだ冷え込みます。

galarie 瑲をオープンして、ようやくなんとなく気も弛んだのか

昨日あたりから久し振りに風邪を引いてしまいました。

頭が痛く、のどもヒリヒリ、身体もだるくて風邪そのものです。

人間、気の弛みがこんなにも健康に影響するのかと面白いばかりです。

何はともあれ、体調を整え、この爽やかな季節を楽しみたいと気を取り直して

今夜も早々と寝ることにしています。

 

最近ようやく、毎朝新聞に目を通す時間が出来てきました。

毎日のように取り上げられている集団的自衛権について、

憲法改正をせずにとりあえず海外ででも戦争のできる法律を作るということが

本当にあって良いのか、安倍さんの考えていることが大変気になります。

確かに最近の海外情勢は目まぐるしいばかりです。

南沙諸島や西沙諸島では中国と東南アジアの各国が油田の利権や領土の問題で衝突しています。

沖縄近辺では近隣国の船が多く出てきて日本の漁船が操業できないような状況であるとか。

四方を海に囲まれている日本にとって

最近の近隣国の目に余る行動は漁業者の問題だけにとどまらず

日本人全体の生活にかかわる大問題です。

 

数を頼みの横暴は昔から国際的に許されるものではありません。

大国であればあるほど、人道的な配慮は人間である限りしなければならないことです。

“人間である” ということをもっともっと私たちも含めて

皆が考え、行動すべきだと思います。

最近はとみに国内外の動きの激しさに目が離せません。

日々考えることばかりです。

 

 

 

井上千鶴のことば

久し振りの休日

 

ゴールデンウィークも後半に入り、そろそろ帰省を終え、Uターンラッシュが始まるとか。

慌ただしい休暇です。

 

私はといえば、最近休みらしい時間の使い方とは無縁に過ごしていましたが

ようやく4、5、6日と休みが取れ、初日の4日は美術館とギャラリーを何軒か見ることにしました。

京都国立博物館では南山城の仏教美術の展示がされています。

少しマイナーな展示ではあるのですが、近辺に住む私たちにとっては聞き慣れた名前の

寺院の所蔵品が多数出ていて大変興味深いものでした。

中でも、京都、奈良のその時代脚光を浴びていた中央の仏師に習った作風の像が

近隣の寺院に多数残されています。

今日もそうであるように、お手本があり、それに追随して作られる作品と共に

文化が中央から地方へと伝播していった様子が窺えます。

一流の仏師のきりりとした隙のない美しさとは一味異なり

何ともほほえましいアンバランスであったり、整っていないことがかえって

見る者に親近感を抱かせたり、大変印象深い仏像たちでした。

入館するまではさほどの入館者数ではないだろうと思っていたのですが大変な混雑でした。

 

その後は京都市内の写真ギャラリーを二ヶ所廻りました。

博道のストレートフォトとは違い、ひとつは若手の女性カメラマンのアート作品で

ひとつは昭和初期の早逝のカメラマン安井仲治の作品でした。

現代の女性カメラマンはアートしようと努力されている一方

安井仲治は心の赴くままにその時々に撮っているのを今私たちが見るとアートになっているのです。

現代の有名な作家に影響を与えたのではと思われる作品でした。

私も博道の写真をこれから保存していく中、彼が生前あえてしなかったモノクロームの作品

特にアート作品を作ることを一度考えてみたいなと思わされる展示会でした。

 

安井仲治の作品は心に残るものでした。

 

三ヶ所を廻って充実した一日を送ることが出来ました。

最終日は娘一家と見頃の藤棚の下で鉄と桜(わんちゃん)を交えての

にぎやかなバーベキューが楽しみです。

 

 

 

井上千鶴のことば

 

 

galarie 瑲をオープンして

 

ゴールデンウィークが始まり、ふり注ぐような新緑を求め

野山へ出かけられる場面が多くなりました。

私たちのgalarie 瑲も4月26日にささやかながらオープンしました。

多くの方にお心遣いのお花をたくさんいただき、ただただ恐縮しています。

まだまだスタート地点に立ったばかりの有様で

これから少しずつ博道の影像と感性を生かした作品作り、商品作りをしていきたいと考えています。

 

それにしても雨上がりの緑の美しさは何物にもかえがたい美しさです。

多分、私が一年で一番好きな季節です。

キッチンダイニングから見える光景は緑の水槽の中に浸ったような感じでうっとりとした時間が流れます。

本当に緑の威力はすごいものがあります。

それに加えて、杉、檜の花粉がようやく終わったということも

私のうっとうしい気分を明るくしてくれる材料になっているのですが。

 

とりあえず、さわやかな五月(さつき)の始まりです。

 

 

 

 

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galarie   瑲 開廊

 

4月23,24日と会社のメンバーなどに来てもらってシミュレーションをしました。

まだまだ商品が揃わない中、ちょっと美味しいお菓子とお茶でおもてなしというのは格好いい話ですが

内心、私としては博道の写真のボリューム感はいつもながら中々のものですが

何せ手狭な展示室なので作品数も11~12点しか飾れません。

その他、お楽しみのちょっとしたお買い物も間に合っていない状態で

折角お越しいただいたのに本当に申し訳ないことです。

 

多分、5月末頃には企画したパネルやスカーフ、バッグなどがそろう予定です。

そんなことを言ってもインクジェットの出力の具合や額装やパネルなどなども

思いもよらない感じで出来上がってきたり、思っている雰囲気とは異なったものになったりと

本当に今まで経験しないことに挑戦することの困難さを思い知らされることの連続です。

博道がそこに居たら「これでいいですか?」と尋ねられたものをと思うことしきりです。

しかし、考えてみると本人が存命であれば私はこんなに写真のことをすることはなかったので

それは無理ということでしょうか。

そんな質問をすると大概「うん、それで良いと思うよ」と答えてくれたものです。

そういう答えを期待して、気持ちを奮い立たせながら商品開発を少しずつ進めていきます。

 

26日ののオープンにはどれだけの方がお越しくださるか解らないですが

今出来る精一杯のことは頑張りたいと思っています。

少しずつの歩みになりますが、一歩ずつ良いギャラリー創りが出来れば良いなと願っています。

ぽつぽつとお越しください。お待ちしています。

 

 

 

井上千鶴のことば

 

 

 

桜の花もそろそろ終わりに近づいてます。

車で走っていると風に吹かれて花吹雪のように舞っていたり

吹かれた花びらがウィンドウに貼り付いたり

春ならではの光景がなんとなくうれしい季節です。

 

ギャラリーの庭や入り口などをDM用に、今日撮影しました。

本当に一気に椿、山吹、三つ葉つつじ、どうだんつつじ、春蘭、こぶし木蓮などが咲き出しました。

 

それぞれの木にいろいろな思い出があります。

こぶし木蓮の淡いピンク色の花をつける木は背丈がまだ1.5mほどのものですが

若木に美しい花をしっかり咲かしてくれました。

10年以上前、知人で山野草を趣味で沢山育てている方が

中登美ヶ丘のギャラリーで山野草展をされたことがありました。

その折に盆栽のようにされていたものを頂戴しました。

毎年、愛らしい花を見るとその方のことを思い出します。

 

ギャラリーを開けると長らくご無沙汰している方々に

お会いできるのではないかと楽しみにしています。

 

 

 

井上千鶴のことば

 

 

 

何かの予感

 

今日は3月31日。平成25年度の最終日。

今年はそれに加えて消費税5%の最後の日とあって

世の中は交通渋滞や荷物の配送業者あわただしさなど大忙しの1日でした。

駆け込みの注文が1週間前頃から急に多くなり

自社も出荷、営業の者は走り回っている有様でした。

 

そんな中、ようやく中登美ギャラリーの工事が大詰めに入りました。

2月5日から始まった工事も建物部分はほぼ終わり、後は庭、

駐車場周辺の庭がもう少しというところまできました。

2ヶ月間、寒い中工事の方々には新築と異なり

リフォームは大変やりにくいことだったろうと思いますが

そこはプロの方たち、いやな顔もせずに、注文をつける私の言葉にも

耳を傾けていただき、思ったものになりました。

 

考えてみれば、博道が元気な折にはここを写真ギャラリーにしようなどということは

ほとんど考えたことがありませんでした。(写真事務所としての機能だけで)

そのような提案をすれば、本人はどう答えたでしょうか。

多分、うれしそうな顔をして、何を、どういうものをプリントしようかと

楽しんでくれたことでしょう。

後悔先に立たずです。

会社の仕事は少しずつ若い人たちで運営してくれるようになり

私自身の役割が少しずつ変化してきました。

こう考えるのは、博道が亡くなり、会社としての精神的な支柱が見えなくなったということと

博道と私が考えていたことを解り易く表現することが若い人たちを育てることになると思うに至ったからです。

生前中にこんな話をもっとするべきだったと思っても仕方ないのですが

期が熟さなかったということでしょうか。

そんなことを1人ギャラリーに佇んで思っていました。

 

ただ、今回の計画はあせらず、あわてず、自分がやって良かったと思えるものにしたいと

今までにない、私流をしてみたいと考えています。

写真を使った商品企画も、手探り状態で4月26日までに果たして出来上がるかどうか。

1年後、2年後、どのようになっているか。

今の私は予定を立てずに少しずつ進んでいきたいと思っています。